最近のクイズ番組を見ていると、漢字検定1級・準1級を所持している人たちが難読漢字をポンポンと答えていく姿を見かけることがありますよね
正直な話、カッコいい。
知識は持っていて損するということは決してありません。むしろ日本人にとって、漢字という言語のベースとなるような知識を増やすことは、自分の表現の幅を広げてくれるのです。
私は何度か挑戦した末に「漢字検定準1級」に合格することができました。そして、苦労して取って良かったなという思いが強いです。
漢検は英検やTOEICなどの資格と比べると実用性に乏しいことは確かです。就活のために資格を取得したい人がいれば、迷わずTOEICの方を勧めます。
ですが、生涯を通じて役に立つ可能性が高いのは「漢字検定準1級」の方です。漢字をより多く知っているというだけで、便利な場面がいくつもあります。
お茶の間でちょっと自慢げな気持ちになったり…
レポートや文書を作成するときに適切な表現を見つけられたり…
四字熟語から人生の教訓すら学べたり…
こういった細かいメリットが「チリも積もれば山となる」のです。普段から世の中には漢字が溢れかえってますから、役に立たない訳がないです。
「漢字検定準1級」は正しい勉強さえ積めば、1〜2ヶ月で合格することも十分可能です。今回は自分の失敗談なども交えて解説していきます。
この記事を参考にし、最短ルートを進んで合格を勝ち取ってみませんか?
【はじめに】漢字検定準1級はどんな試験なのか?
難易度
2級が高校卒業程度(2136字)であり、全ての常用漢字から出題されます。
準1級、1級は大学一般程度であり、1級は約6000字、準1級は約3000字が範囲です。
常用漢字とは?(ここを読む)
常用漢字とは、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として、内閣告示「常用漢字表」で示された現代日本における日本語の漢字である。
そして最大の特徴として常用漢字以外からも出題されます。
常用漢字以外と言いつつも、私の個人的な見解だと、準1級で見かける漢字は日常でも見かけることが多いです。対して1級で見かける漢字は、ほとんど見かけません。
2級よりかなり難しいのが準1級。準1級より圧倒的に難しいのが1級です。
でも恐れることなかれ。1級を目指す場合はかなり骨が折れますが、準1級ならば初心者でも手が届く範囲と考えて問題ありません。なぜならば試験に出る漢字には傾向があるからです。
必要な漢字を必要な分だけ覚えて試験に臨めば、合格は十分可能ですよ。
検定料と検定時間
準1級の場合は検定料が5500円で、検定時間が60分、試験は午後に行われます。
検定料は安くない金額です。十分な対策をし、一発で合格することをぜひ目標にしてください。
合格基準
準1級は200点満点の試験で160点(8割)が合格ラインです。
この8割に関しては実はかなりシビアなラインと捉えた方がいいです。
7割付近には届いたが不合格になってしまう人が、大勢います。
この8割の壁を超えられるかどうかが最大の関門となってくるでしょう。
学習に必要な時間
1日に3時間、勉強できるならば1ヶ月で合格することもできます。
つまり約100時間程度要すると考えて、自分のスケジュールから逆算してみるのがベストです。
1日に1時間なら3ヶ月、2時間なら1ヶ月半を目安にしてください。
2級を受験する必要はあるか
実は準1級の問題の5〜10%ほどは2級の問題です。
ですが、合格に関して2級の知識が絶対に必要なわけではありません。よっぽど漢字に対して苦手意識がない限りは準1級から始めても大丈夫です。
(例えば、普段から読めない漢字が多くある人は2級から勉強する方が効率がいいです。)
1級の場合は話が違います。準1級合格に準ずる知識を持っていないと苦戦間違いなしです。
【注意事項】1級を視野に入れている人に向けて
準1級に合格するために、直接的に必要はありませんが、1級に合格するためにはほぼマストの書籍を紹介しておきます。
準1級の勉強でも役に立つ場面が多くあると思うので、「1級に挑戦するんだ!」と考えている人は今から取り揃えておくことをオススメします。
実は1級の四字熟語対策は辞典から覚えるという力技が有効だったりするのです。
準1級の学習においても、わからない漢字をサッと調べるときに活用できるので買っておきましょう。
【得点率7割】安定した基盤を作るための勉強法①
準1級の勉強の相棒的存在
まず漢検準1級の参考書はこの1冊をめちゃくちゃオススメします。
この1冊を丁寧に仕上げるだけで、7割を得点するのは簡単です。
「史上最強」と謳っていますが、その名に恥じないような問題集です。
他の問題集と比べて「試験に出る漢字は何か」により焦点を当てていますし、実際の試験においてもカバー率が85%という恐ろしい精度です。
ですが、何度も言っている通り7割が目安な気がします。この問題集にある漢字を、1つも残さず完璧に覚えきったならば合格することはできます。しかし…
何かを完璧に近づけようとするほど、より多くの時間がかかる
このことは一般的に言えることです。この1冊を完璧にするより、他の1冊を用意して穴を埋める方が早いでしょう。
なので、まずはこの1冊を9割は解ける状態に持っていくことが理想です。
参考書の使い方
- まずは1周する。分からないものに印をつける。
- 分からなかったものだけを解く。分からないものにさらに印をつける。
- 2の手順を繰り返す
- 問題集を流し見して9割は絶対に分かる状態になったら終了
シンプルなやり方ですが、一番効率が良いはずです。
1周目に分からない漢字があるのは当たり前です。ほとんどの漢字を知らないはずです。
2周目以降に知らない漢字をどれだけ減らしていけるかが勝負です。
【得点率9割】実力を合格へ押し上げるための勉強法②
さらに仕上げたいもう1冊
1冊の参考書を終えたこの段階で、すでに合格できる可能性は30~40%程度あると考えてください。
しかし、まだ学習不足感があります。何度か漢検に挑戦すれば受かる回もあるとは思いますが、その度に5500円消えていくのは痛手です。
なのでもう1冊だけ課金して確実に合格しましょう。
私は何冊か漢検準1級の問題集を持っていますが、その中で特に学習効果が高いと思ったものを紹介します。
「史上最強の漢検マスター」と同様、二字熟語の意味がすぐ横に書いてあるのが嬉しいポイントです。あと、個人的に他の問題集と比較してデザインが見やすいように感じます。
対して、この1冊はオススメできません。
漢検公式の問題集ですが、問題数が少ない上にデザインも簡素。あまり良いところが正直言ってなく、この1冊を取り組んでも、そこまで大きな効果は得られないように思います。
公式なので手を取りたくなりますが、他の問題集を購入することをオススメします。
参考書の取り組み方は勉強法①とまったく同じで、
- まずは1周する。分からないものに印をつける。
- 分からなかったものだけを解く。分からないものにさらに印をつける。
- 2の手順を繰り返す
- 問題集を流し見して9割は絶対に分かる状態になったら終了
また、2冊目に取り組むメリットとして
1冊目に覚えたと思ったら、本当は忘れていた漢字を復習できる
ことも挙げられます。
2冊目を通して、覚えにくい漢字をより強固に復習し、初めて出会った漢字を新たに習得することで合格ラインに到達できる実力を身につけられるのです。
2冊目に意識しておきたいこと
初めて見る四字熟語、故事・諺を注意深く覚える
2冊目を学習する上で一番得点が上がる可能性が高い分野は「故事・諺」で、次いで「四字熟語」です。
試験本番で最も点数を落とす要素は何かというと「学習したのに思い出せなかった漢字」ではなく「初めて見る漢字」です。
どうしても学習漏れは発生しますし、それが一番感じられる分野が「故事・諺」なのです。できるだけ漏れを無くすように2周目に取り組みましょう。
過去問演習はできればしたい!!
2冊を仕上げれば十分に合格できる力は備わっているので、過去問を解かなければいけないわけではありませんが、
- 自分の現在の合格可能性をチェックしたい
- どの分野が苦手なのか見つけたい
- 試験本番ではどのように取り組むのがいいか検討したい
このような目的を考えると、過去問を解く価値は十分にあると言えるでしょう。
合格可能性をさらに引き上げたい人にはオススメします。
なお、教材は漢検公式のもので問題ありません。
ただし、過去問に取り組むのは1回だけで十分だと言う人や問題をチラッと確認したい人は公式HPに問題例があるので、それを参考にすればOKだと思います。
苦手分野を発見したり、正確な合格可能性を割り出すためには複数回過去問に取り組む必要があるので、その場合は過去問を購入しましょう。
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