【いざ難関大学へ】現役家庭教師が『新数学スタンダード演習』のレベルを徹底解説

数学参考書

皆さん、こんにちは!現役家庭教師のマナブです。
数学の勉強、頑張っていますか? 

今回は自分のステージを一段上に引き上げてくれる可能性を秘めた参考書を紹介します。

この本は私が受験期の時も、すごく役立ってくれました。
そして家庭教師として教える今も、生徒に適切な問題を考えるときに参考にさせてもらってます。

『新数学スタンダード演習』は月刊「大学への数学」の増刊号で、例年、数ⅠAⅡBは4月、数Ⅲは5月に発売される数学の問題集です。

数学の問題集の中でも有名なので、安心感がありますよね!

ですが、どれくらい難しい問題集なんだろうと気になる人が多いかと思います。

実際、『新数学スタンダード演習』はある程度、人を選ぶので間違って買って損した…みたいなことにならないよう、この記事を参考にしてもらえれば幸いです!

【レベルについて】どのような人がオススメか

まず、参考書的な立ち位置を言うと、『青チャート』、『Focus Gold』または『大学への数学 1対1対応の演習』を少なくとも1周していることが理想的です。

つまり、ある程度の数学の下地は求められていると言っていいでしょう!

本書は高校数学を解くための基礎的な知識を身につけた人が、標準的な入試問題に対して、その知識を実践の場でどう生かすか、を学ぶのに適しています。

したがって、教科書の内容が分からない、入試数学のよくある解法が分からない…といった方が挑戦すると、1問1問に対して非常に多くの時間を要することになり、ちょっとシンドイです。

例えば、本書の Section 1「数と式」のいくつかの問題では「xとyの対称式は必ずx+y、xyで表すことができる」という知識が登場します。ここで「対称式って一体なんだろう…?」と考えていると時間がいくらあっても足りません。

もし、「聞いたこともない!」という段階であれば、本書の入門的な立ち位置にある『大学への数学 1対1対応の演習』をオススメします。

色々な学問にも通じる話ですが、文献やWebサイトの「基礎的」や「入門」といった言葉は、誰にとって「基礎的」なのかが往々にして異なる場合があるので、ぜひ注意しましょう。ややこしいですよね(笑)

本記事の「基礎的」は、教科書の基本的な定理をほとんど学び終えて、いわゆる網羅系参考書を一通りこなした経験がある状態だと捉えてください!(網羅系参考書とは例えば青チャみたいなやつです)

「1つの参考書を完璧に」とは受験界隈において、よく聞く言葉でありますが、本書に挑戦するにあたって『青チャート』などを穴が空くまでやり込む必要はないと思っています。

逆に『青チャート』を本当に完璧に解ける状態であれば、『新数学スタンダード演習』をやるメリットは薄れるかと思います。

なぜならば、本書は復習的な立ち位置として最適だからです。網羅系参考書で学んだ知識を、標準的な入試問題で確認してみる。もし忘れていた事項があれば、メモを取って忘れないようにする…ぐらいのイメージがちょうどいいです。

掲載されている問題は全体的に網羅系参考書の問題より一回りか二回りぐらいタフなものです。

なので、知っている知識に対しては、ちゃんと使える知識かどうかを確認することができますし、知らない知識に対しては新たな発見をもたらしてくれるはずです。

「大学への数学」は入試問題をA、B、C…でランク分けしているのですが、『新数学スタンダード演習』は、ほとんどの問題がB(標準)に位置しています。

なので、この問題集を解き切れば、入試数学の標準レベル(スタンダード)はマスターしたと考えてOKです!

【大学について】どのような人がオススメか

指導経験を踏まえて、大学別にこの参考書がどれほど役立つか、考えてみました。

東大や京大を中心とする最難関大学を挑戦する方々にとって、本書は入試数学の入り口の役割を果たしてくれると思います。まずは、本書の問題が初見の状態で5〜6割は解けることを目指したいです。

最難関大学の入試数学は、標準的な入試問題よりもさらに設定が複雑だったり、解答の道筋が読めなかったり…など困難だらけです。まずは、ここで標準なら解けるぜ!と弾みをつけておきましょう。

国公立大学、MARCHを中心とする私立大学を挑戦する方々にとっては、これが最後の演習書と考えて良いでしょう。

本書の問題をほとんど解ける状態になったら過去問演習を始めて問題ありません。目標のラインが近づいてきた…とワクワクしときましょう!

【使う時期について】いつ取り組むのがオススメか

有益な参考書も、使う時期を見誤ったら、大惨事になりかねません!下記を参考に自分なりのスケジュールを立ててみてくださいね。

東大や京大を中心とする最難関大学を挑戦する方々は、本書を高校3年生の夏休み終わり頃までには、遅くとも仕上げておきたいところです。

この本を解き終えた状態で、過去問を解こうとしても、「問題がよく分からない…最後まで解くことができない…」といった悩みに陥ることになります。難しい設定の入試数学に対する有効な切り口を見つけるため、後述する参考書に取り組むことをオススメします。

国公立大学、MARCHを中心とする私立大学を挑戦する方々は、本書を高校3年生の秋までには、遅くとも解き終えておきましょう。その後は過去問を通して、実践経験を積んでいくことが理想です。

東大理Ⅲ、京大医学部等の受験最高峰を志す方々は、高校3年生の春までに解き終えましょう。ここからいかに数学の実力を完成させていくかが肝になります。

【使い方について】どう利用するのがオススメか

私が5〜6年ほど、入試数学に取り組んでみて、どのように使うのが理想的か考えてみました!

数学の演習で必要なことは、「覚えるべきこと」か「問題特有の事項」なのかを見分けることです。

この『新数学スタンダード演習』では、その問題を解くために必要な解説が、問題ごとに丁寧に記述されており、問題特有の事項に関しては文の前に「➡️」があるため、非常に判別がしやすくなっています。

まずは、これを参考にしつつ、問題を解きながら自分が知らなかった知識をまとめると良いでしょう。

問題を解く順番に関しては、最初から最後まで順番に解いていくことをオススメします。

これは、問題の並びが最初から解いていくことを意識して配置されていることと、知識の漏れがないようにできるだけ多くの問題に触れておくべきだと思ったからです。

制限時間に関してですが、特に意識しなくてよいと思います。時間に対してシビアになるのは過去問演習の段階からで間に合います。まずは、必要な知識を確実に吸収することに集中してください

制限時間を設けなくていいとは言ったものの、呑気に考えてほしいという訳ではありません。時間は設定しなくていいですが、毎回最短ルートは何かを考えることは重要です。

『新数学スタンダード演習』は別解も多く掲載されています。計算過程も含めて「最適解は何か?」を考察することは試験本番で強力な武器になるはずです!

【他の参考書について】前後の参考書は何がいいか

本記事を踏まえて、まだ早いな…と感じる人、今取り組むべきだ!と思った人、とっくにその段階にはいないぜと息巻いてる人、さまざまだと思います。私は仕事上、たくさんの参考書に触れる機会が多いので、その見解をもとに他の参考書も紹介しておきますね!

(1)本書に取り組む前に
『青チャート』をオススメします。『黄チャート』に取り組んでいる人、知識にまだ自信が無い人は『大学への数学 1体1対応の演習』を挟んだ方が、ちょうどいいかと思います。

(2)本書に取り組んだ後に
『やさしい理系数学』『ハイレベル理系数学』をオススメします。個人的には東北大や北海道大なら『やさしい理系数学』→過去問演習、東京大や京都大なら『ハイレベル理系数学』に取り組むといいでしょう。

おわりに

入試数学は大学によって難度の上下が激しいため、人によって適切な量・レベルがあります。本記事を参考に、自分の適切な問題集を発見できたらと思います。

『新数学スタンダード演習』は入試数学において標準…言い換えればここは取りこぼしたくない、差がつく問題を掲載している問題集と言えるでしょう!

本書を通じて、皆さんがそれぞれ目指す実力を獲得し、理想の結果を掴み取ることを応援していますね!

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